Last updated on 2020年6月28日
イギリスのセント・マイケルズ・レイライン上にある巨大な石の遺跡地帯であるストーンヘンジ類と同じように、フランス北西部のブルターニュ地方には、レイラインの1種であると思われる「カルナック列石」という巨石遺構が存在します。
イギリスの「セント・マイケルズ・マウントの修道院」とフランスの「モン・サン・ミッシェル」は同じ聖ミカエルを祀っているという共通点があることを以前紹介しましたが、同じような巨石群が不思議と並んでいます。
ストーンヘンジやエイブベリーストーンに代表されるように大きな石が一定の規則性を持って配置されているのは同じですが、フランスのカルナック列石には「メンヒル」と呼ばれる、いわゆるモノリスが目印のように立っているのが特徴的です。
カルナック列石は大きく3つのグループに分かれており、総延長は4キロにも及びます。
カルナック列石に並ぶ巨大なモノリス
カルナック列石には、「メネク」「ケルマリオ」「ケルレスカン」という3つのグループに分かれており、それぞれに巨大なモノリスが約1キロの長さに渡って並べられています。
モノリスの起源は研究者の間では紀元前5000年から紀元前3000年頃に建て始められたとされていますが、この推定年代はエジプトのピラミッドなどに並んで、現存する最古の人工物であるという説もあり、世界四大文明が起こったとされる時期よりも更に古い可能性があるのです。
カルナック列石の起源には諸説が唱えられており、精霊や巨人によって造られたというファンタジックなものや、古代の墓、墓標、記念碑説などの考古学的な考え方、また天文学などに関連していた可能性などが指摘されているものの、他の巨石群と同じようにはっきりとした答えは出ていません。
現存しているカルナックのモノリスで最大の大きさのものは6.5メートルですが、同じブルターニュ地方には現在約9.5メートル、一説には当初20メートルほどあったとされる規格外のモノリスも存在しています。
日本の文化にも前方後円墳などが造られて、権力者の墓を大きくしてきた歴史はありますが、それは約4世紀頃のものであり時代背景が全く違います。
また、カルナックを含めたブルターニュ地方の特定のモノリスには、明らかに人工的に加工され、岩肌が滑らかになっているものまであるのです。
カルナック列石の謎
カルナック列石は数々の研究者によって様々な説が唱えられている巨石遺構ですが、単純に巨大な石が並べられているだけではありません。
カルナック列石の周辺には、この巨石群に関係すると見られる古墳なども多数発見されており、中には聖ミシェル古墳なども存在するそうです。
これらの周辺にある古墳の存在を考えると、モノリスそのものが墓だという説には疑問が浮かんでこないでしょうか?
では、仮に古代の墓でなかった場合はどうでしょう。
例えば、科学的に研究されている建てられた年代がおおよそ正確であれば、この巨大な石が直線的に配置されている事には何か意味があると考えるのが自然です。
意味があると考えられる理由は大きく3つ。
1つ目は文明力。
紀元前4000年以上昔の古代人がすでに巨石群を作れる技術持っていた可能性です。超古代文明とまでは言わないですが、神話時代にあたる超古代に、こういった技術があったとすれば、どこからそれを持ってきたのか?という疑問が浮かびます。
2つ目は必要性。
カルナック列石には約1キロに渡って3グループものモノリスが立ち並んでいますが、そもそもこの必要性についての疑問が残ります。
3つ目は意思。
古代人達が仮にこれらの文明力と必要性があったとして、その意思は一体どうだったのでしょうか?
自分達の意思で巨大な石を運んで建てたのか?誰かの指示の元でこういった石の流れを築いたのか?
こういった謎が解ける日は来るのでしょうか。
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