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吸血鬼やゾンビのモデル?狂犬病ウイルス【致死率100%の病気】

Last updated on 2020年7月2日

映画『カメラを止めるな』やゲーム『バイオハザード』など、ゾンビは今や人気ジャンルの1つ。

ゾンビウイルスに感染した者は、自我を失って辺りをさまよい、人にかみつくゾンビとなります。かまれることでゾンビはどんどん広がり……

そんなゾンビの元ネタの1つが、「吸血鬼」です。

吸血鬼はヴァンパイアとも呼ばれ、世界中で恐れられる不死身のモンスターです。「ドラキュラ伯爵」は有名ですね。

日光やニンニク、そしてキリストの十字架を恐れる吸血鬼。吸血鬼に血を吸われた者も吸血鬼になってしまうといわれ……たしかに、どこかゾンビと似ています。

そんな吸血鬼伝説のモデルになった病気があることを知っていますか?

致死率100%の「狂犬病」です。

ある意味では、あの新型コロナウイルスよりも恐ろしい、狂犬病ウイルス。

今回は狂犬病の症状を紹介。本当に致死率100%なのか、人間が感染したらどうなるのか、ゾンビや吸血鬼にどう影響を与えたのかなどを、わかりやすく解説します。

※本記事は医療や健康に関する記事ではございません。症状・治療等におきましては所定の医療機関・医療従事者にご相談ください。

狂犬病とは:致死率100%って本当なの?

狂犬病という病名の通り、多くは犬やオオカミに発症しますが、ヒトを含むすべての哺乳類に発症の可能性があります

狂犬病ウイルスは宿主(やどぬし)の唾液に含まれていて、かまれることで感染します。

はじめは発熱や頭痛など、風邪のような症状があらわれます。狂犬病ウイルスは10日ほどかけて、かまれた部位からへ向かい、脳神経組織に感染すると発症します。

この時かまれた部位が脳に近ければ、発症はより早まります。

発症した際の致死率は、ほとんど100%。

治療法や治療薬もいまだにないため、1度発症したら、ほぼ確実に死亡してしまうという恐ろしい病です。

他の致死率の高いウイルスについては、コチラでまとめています。ぜひご覧ください。

参考:厚生労働省

人間が狂犬病になるとどうなる? 症状は?

狂犬病を発症した犬は、我を失って辺りをさまようように歩き回り、手当たり次第にかみつこうとします。

人間が発症した場合にも、様々な症状があらわれます。

ろれつが回らない筋肉が動かない意識を失う……凶暴化する、幻覚を見る……

知覚過敏で、光や音などの刺激を極度に避けるようになり……水を飲むと喉がけいれんするため、水さえも恐れるようになります。

そして呼吸困難におちいり、ほぼ確実に死亡します。

現在では感染後すぐに、ウイルスが脳に到達する前(つまり発症前)にワクチンを接種すれば、ほとんどの場合、発症を抑えることができます。

発症前にワクチンを接種せずに回復した例は、なんと世界でもアメリカ・ウィスコンシン州の15歳の少女の1例しかありません。

そのため『最も致死率が高い病気』として、「後天性免疫不全症候群(エイズ)」とともに、ギネス世界記録に記録されています。

参考:厚生労働省
参考:日経サイエンス

日本の狂犬病

全世界では、今でも狂犬病によって毎年6万人の命が奪われています。

日本は狂犬病を撲滅(ぼくめつ)した数少ない国で、1957年以降、国内での感染は認められていません

しかし海外で感染して帰国した発症者は存在します。

海外では野生動物に近寄らないようにし、またペットを連れていく際は、必ず予防接種を受けさせましょう。

狂犬病の恐ろしさについては、以前オカルトオンラインでも記事を書きましたね。

実は狂犬病ウイルスは、人間や動物の脳を操っているという説があるんです。コチラで詳しく紹介しています。

参考:厚生労働省

吸血鬼やゾンビのモデルになった狂犬病の症状

狂犬病を発症した犬は、辺りをさまようように歩き回り、手当たり次第にかみつこうとします。

人間もまた、我を忘れて凶暴化します。かまれることで、狂犬病ウイルスはどんどん広がっていきます

これはまさに、ゾンビそのものです。

舌やあごの筋肉が麻痺して、舌やよだれを垂らすようになるのも、ゾンビと似ています。

吸血鬼もかみついて血を吸うことで、仲間を増やします。

また日光やニンニク、十字架を恐れます。これらの特徴は、実はすべて狂犬病の症状なんです。

知覚過敏になって、光や匂いといった刺激を避けようとします。太陽や臭いの強いニンニクはまさに天敵。

先端恐怖症になる者もいますから、とがった十字架を恐れるようになるのです。

ヨーロッパで吸血鬼伝説が人々の話題になったのは18世紀前半ですが、実は同じころ、東ヨーロッパでは狂犬病が大流行していました。

おそらくは「ドラキュラ伯爵」の伝説と狂犬病への怖れが結びついて、現在の吸血鬼のイメージが生まれたのでしょう。

ゾンビのルーツは、アフリカなどで信じられていた「生ける死体(リビングデッド)」にあります。

しかし本来のゾンビには、人におそいかかったり、仲間を増やすといった性質はありませんでした。

1968年のアメリカ映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』でジョージ・A・ロメロ監督は、ゾンビに吸血鬼の要素を加え、「かみついて増えるゾンビ」を作りあげます。

この映画が原点となって、現在にいたるまで様々なゾンビ作品が誕生しました。

吸血鬼やゾンビなんて、しょせんはフィクション、伝説……そう思っていた人も多いでしょう。

しかし吸血鬼やゾンビそっくりになってしまう狂犬病は、実在する病気です。

国内では感染は確認されていないものの、グローバル社会の現代、いつ日本に狂犬病ウイルスが持ちこまれても不思議ではありません。

新型コロナウイルスのように人から人へは感染しませんが、その致死率は100%。その時にはゾンビ映画さながらの、パニックが訪れるでしょう。

あなたの日常がある日突然、映画やゲームのような非日常に変わってしまう日が来るのかもしれません。

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